「置かれた場所で咲きなさい」の呪縛から解放されよう

内向型

「置かれた場所で咲きなさい」

この言葉、多くの方が聞いたことあるのではないでしょうか。

ノートルダム清心女子大学の元学長、故・渡部和子さんが書かれた本のタイトルで、累計200万部超のベストセラーを記録しています。

この言葉に出会ったのは僕が営業職をやっていた頃です。

第一印象は「素敵な言葉だな」でした。

「自分が今いる場所で精いっぱい頑張ろう!」そう背中を押してもらえた感じです。

ただそのあと、この言葉にとらわれて辛い思いもしました。

その内容は今から書いていきますが、僕と同じようにこの言葉で辛い思いをされた方って結構いるのではないでしょうか。

この記事では僕が「置かれた場所で咲きなさい」の呪縛から逃れた方法をお伝えします。

「置かれた場所で咲きなさい」の意味

どんなところに置かれても、花を咲かせる心を持ち続けよう。

境遇を選ぶことはできないが、生き方を選ぶことはできる。

かけがえのない時間を精一杯生きよう。

渡辺和子「置かれた場所で咲きなさい」より

「置かれた場所で咲きなさい」の意味は作品中でこのように表現されています。

すごくうなずける文章です。

どんな境遇にあっても、自分の花を咲かせる努力をしよう。

そんな解釈ができますね。

境遇のせいにしないというのは生きていく上で大事な考えだと思います。

僕自身、この言葉に出会って自分の意識を変えることができました。

当時、僕は営業職に配属されて憂鬱な気分をいつも抱えていました。

「僕みたいな人を営業にまわすなんて人事のやり方おかしいんじゃない…?」

「もう少しいい営業方法を教えてもらえないと契約なんてとれないよ」

と、周りに対する不満ばかり感じていました。

なので「置かれた場所で咲きなさい」という言葉に出会った時は「自分が変わってしっかり頑張っていかなきゃ!」と前を向くきっかけを与えてもらえました。

「逃げてはいけない」という思い込みが発生

ただ、この言葉を聞いて思い込みがちなのが、

「逃げてはいけない」と考えてしまうことです。

置かれた場所で咲かないといけない。

だからこの場所がどんなに辛くても逃げてはいけないんだ。

真面目な人ほどこう考えがちです。

そうやって辛い状況でも頑張り続けて心を病んでしまう。

僕もその一人でした。

営業の結果が出せない時、この言葉を思い出して頑張り続けていました。

自分が辛いのを周りのせいにしてはいけない。

今いる場所で頑張っていれば必ず花は咲くから、逃げるのはダメ。

そう思って必死に頑張り続けた結果、メンタルダウンするという結果になってしまいました。

「逃げてはいけない」とは書かれていない

「置かれた場所で咲きなさい」という言葉、

本当に「逃げてはいけない」という意味なのでしょうか?

実はこの本にはこんなことも書かれています。

どうしても咲けない時もあります。

雨風が強い時
日照り続きで咲けない日
そんな時には無理に咲かなくてもいい。

その代わりに
根を下へ下へと降ろして根を張るのです。

次に咲く花がより大きく
美しいものとなるために。

渡辺和子「置かれた場所で咲きなさい」より

このように、辛い状況では無理して咲かなくていいと書かれています。

咲かない代わりに根を下へ下へ降ろす。この文章は「頑張れない時は自分の心を整えよう。また頑張り直すための力を蓄えよう」と僕は解釈しています。

だからこの本は「逃げてはいけない」とは伝えていないんですよね。

どうして辛い方向に解釈してしまう人が出てくるのでしょうか?

次はそこを考えていきます。

辛い思いをする人が生まれる原因

この言葉で辛い思いをする人が生まれる原因。

それはこの本がベストセラーとして紹介され、「置かれた場所で咲きなさい」というタイトルだけが大きく世に知られたことが原因と考えています。

タイトルだけを見てみると、「今いる場所で頑張らないといけない」とストレートに受け取る人が出てきますよね。

特に真面目な人ほどそう解釈してしまうと思います。

メディアで取り上げられる時も「置かれた場所で頑張ることが大事」という内容で紹介されているので「逃げてはいけない」と解釈する人が多かったのでしょう。

その結果、無理しすぎて辛い思いをする人が出てきてしまったのだと思います。

本の内容をしっかり読み込めればそんなこともないのでしょうが、本を購入して読もうとする人はそんなに多くないでしょう。

実際にネットで検索するとこの言葉に関して賛否両論、たくさんの意見が飛び交っています。

中にはけっこう否定的な意見も見受けられます。

  • 「辛すぎる場所からは直ちに離れるべき」
  • 「ただの根性論」
  • 「植物と違って人間は動けるのだから、咲ける場所を探しにいけばいい」

「~しなさい」というタイトルが印象的だから、それに反発する人も出てくるのでしょうね。

「置かれた場所で咲く」の本当の意味

この作品で言われている「置かれた場所で咲く」とはどんな意味なのでしょうか。

「辛い状況に頑張って立ち向かうこと」

そう考えていましたが、それでは「逃げてはいけない」の解釈が生まれてしまいます。

そこで僕はこう考え直しました。

「現状に惑わされず、穏やかな心を保つこと」

たとえ現状が辛くてもあきらめたり腐ったりせず、心を落ち着かせる。

そして自分が今やるべきことを考える。

それこそが「咲く」ことだと僕は思います。

置かれた場所から離れたっていい

「咲く」ことは穏やかな心を持つこと。

そう考えると、置かれた場所から離れてもいいという考え方にたどりつけます。

自分でやるべきことを考えた結果「今の場所を離れる」という決断をしたのなら、

それはちゃんと「置かれた場所で咲けた」結果の行動だからです。

今置かれている場所から離れたっていい。

逃げたっていい。

現状にふてくされて何もしないことこそがいけないこと。

周りのせいにしてばかりの自分とお別れして、しっかり前向きに生きる。

そう考えると「置かれた場所で咲きなさい」の呪縛から逃れることができます。

まとめ

  • 「置かれた場所で咲きなさい」はただの根性論ではない
  • 現状が辛くても自分を見失わず、穏やかな心でいることが大事
  • 穏やかな心で考えた結果、今いる場所から離れる決断をしたならOK

置かれた場所にこだわりすぎず、自分の心に集中する。

僕はこうやって「置かれた場所で咲きなさい」の呪縛から解放されました。

場所はどこだっていいんです。自分自身が元気であればそれでいい。

同じように辛い思いをしてる人に、このメッセージが届きますように。

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